事態が大きく動いたのは、捜査本部による定例会見の場だった。情報提供を広く呼びかけるため、公式資料とともに父親の氏名を含む家族情報の一部が正式に確認・公表されるに至った。これまで伏せられていた詳細が一気に開示された瞬間、記者席にはペンを走らせる激しい音が響いた。
父親は絞り出すような声で、当時の状況を振り返っている。「普段と変わらない朝だった。『いってきます』と手を振った笑顔が最後になるなんて、夢にも思わなかった」。学校からの「登校していない」という一本の連絡が、平穏な日常を一変させた。自宅周辺は通学路として見通しも良く、見知らぬ車両が侵入すれば目立つ場所だ。それでも忽然と姿が消えた。
京都府警察本部が発表した最新の見解によれば、単なる迷子や偶発的な事故の域を完全に超えているという。公開された父親の氏名は、広く社会へ協力を仰ぎ、1件でも多くの有力な目撃情報を掘り起こすための苦渋の決断だった。