ネット掲示板やSNSで頻繁に交わされる「京都橘大学の就職はやばい」という言説。この言葉の背景を精査すると、まったく異なる2つの文脈が混在している実態が浮かび上がってきます。
1つ目は、「中堅大学の枠を超えた就職決定率と医療系実績の凄まじさ」をポジティブに表現した驚愕の声です。看護学部や健康科学部などの医療系学科において、国家試験合格率と就職率で全国トップクラスの数値を叩き出し続けており、「中堅私大と侮っていたら医療機関の採用枠を独占していてやばい」という業界関係者の評価がネットスラングとして拡散されました。
一方で、2つ目の文脈として「難関大手企業の総合職就職における現実的な壁」を嘆く声が存在します。急速な共学化と総合大学化によって文系学部の規模も拡大しましたが、関西圏の一般企業採用において、伝統的な「関関同立(関西学院・関西・同志社・立命館)」や「産近甲龍(京都産業・近畿・甲南・龍谷)」の学歴フィルターと正面衝突するケースが少なくありません。企業説明会の選考段階で弾かれた一部の学生による「文系で大手総合職を目指すのはやばい(厳しい)」という不満が、サジェストを押し上げる要因となっています。
学歴社会の構造的なバイアスと、急拡大する大学の実力値とのギャップが生んだ認知の歪みこそが、「やばい」という噂の核心です。