身体醜形障害を抱える人の大多数が、精神医療ではなく美容医療の門を叩く。ここに現代医療が抱える大きなジレンマがある。鼻尖形成、骨切り、脂肪吸引、レーザー治療——莫大な費用を投じて手術を重ねても、彼らの心が晴れることはほとんどない。
施術直後は一時的な安堵感を得られるかもしれない。だが数週間も経てば、別の部位に新たな「欠陥」を見出すか、「以前より悪化した」という絶望に襲われ、クリニックへのクレームや再手術の要求へと発展する。外科的アプローチは、病理の根本である「認知の歪み」を放置したまま、身体にメスを入れ続ける行為に他ならない。美容医療の現場と精神医療専門医との緊密な連携体制の構築が、今まさに喫緊の課題となっている。