ネット上の口コミで時折見られる「思っていたカレーと違った」「ナンがメニューになくて驚いた」という声は、インド料理(特に日本で普及している北インド・ネパール系レストラン)のイメージを引きずっていることに起因します。
最大の違いは「油脂の使用量」と「小麦粉の有無」です。北インド料理がバターや生クリーム、ギーをふんだんに使い、ナン(小麦粉)とともにリッチなコクを味わうのに対し、スリランカ料理は油を極力使わず、ココナッツミルクとスパイスの水分で煮込むのが基本です。主食もインディカ米(バスマティライスやサンバライス)が中心となります。
また、「混ぜて食べる」ことへの心理的抵抗感を持つ人もいますが、スリランカの食卓において混ぜ合わせはマナー違反ではなく、むしろ味を完成させる必須の調理プロセスです。辛味の強いチキンカレー、マイルドなレンズ豆カレー、酸味のあるトマトや玉ねぎのサラダ(シンハラサンボル)、甘みと苦味を持つナスのモージュ(揚げ浸し)を口の中で調和させることで、一口ごとに異なる旨味の波が押し寄せてきます。