日本のエンタメ史において、杉下右京という人物ほど強烈な個性を放ち続けたキャラクターは存在しない。そして、その天才的でありながら偏屈な警部補に命を吹き込み続けてきたのが、名優・水谷豊だ。彼の圧倒的な演技力と存在感がなければ、これほどまでに息の長いモンスター番組が誕生することはなかっただろう。
テレビドラマ業界全体を見渡しても、一人の俳優が四半世紀近くにわたって同一の主役を張り続け、なおトップランナーであり続ける例は極めて稀だ。単なる一過性のブームに終わらせず、質の高い本格派ミステリーとしての品格を保ち続けた功績は、日本のエンターテインメント界における偉大な金字塔として輝きを放っている。