アクセルペダルから足を離した瞬間に車が自然と減速する力、これがエンジンブレーキの基本原理です。アクセルを戻すとスロットルバルブが閉じ、シリンダー内への吸気が制限されます。このとき、ピストンが空気を吸い込もうとする際に生じる抵抗(ポンピングロス)や、エンジン内部の機械的摩擦が車輪の回転を抑え込む抵抗力へと変わります。
タイヤと連動しているディスクローターやドラムを摩擦材で直接挟み込んで止めるフットブレーキに対し、エンジンブレーキは駆動系全体の回転抵抗を利用して速度を制御する点に決定的な違いがあります。摩擦熱で車輪側のブレーキ機構に負荷をかけることなく、滑らかに車速を抑え込めるのが最大の特徴です。