ファンの間では「不老不死」「究極生命体(カーズ)」と称賛される荒木氏ですが、本人は自身の加齢についてどのような実感を持っているのでしょうか。公のインタビューやトークイベントにおいて、荒木氏は周囲の神格化に対して何度も苦笑いを浮かべながら、リアルな「老い」の告白を行っています。
「周りから『若くていいですね』と言われますが、鏡を見ると普通に白髪も増えていますし、シワも年相応にありますよ」「昔のように階段を一気に駆け上がると足腰に響くし、普通に足を踏み外すこともある」といった率直な言葉は、ファンの笑いを誘うと同時に、生身の人間としての親近感を抱かせます。
また、漫画制作の現場においても、デジタル作画への移行や作業環境の調整について語る際、「老眼が進んで細かい線を描くのが本当に大変になった」と述べています。コマ割りの構図やダイナミックなポージングを維持するために、視力のケアや眼鏡の度数調整など、日々の地道な工夫が不可欠であるのが現場の実態です。世間が抱く「奇跡の不老」という幻想は、弱音を作品に出さず、徹底した体調管理でプロフェッショナルを貫く姿勢が生んだ美しい誤解でもあります。