ジョン・S・ペンバートンの生涯とコカ・コーラ誕生の真実を徹底追究! 読者が気になる 情報と解説を分かりやすく展開します。

1831年、米ジョージア州に生まれたジョン・スティス・ペンバートンは、19歳で植物療法と薬学の免許を取得した極めて優秀な化学者・薬剤師でした。コロンバスで薬局を開業し、独自の調剤技術で評判を呼んでいた彼の運命を狂わせたのが、1861年に勃発した南北戦争です。

連合国軍(南軍)の中尉として出征したペンバートンは、1865年4月の「コロンバスの戦い」において胸部にサーベルによる深い斬撃と銃撃を受け、瀕死の重傷を負いました。当時、野戦病院で激痛を鎮めるために投与されたのが高純度のモルヒネでした。一命を取り留めたものの、戦後も彼を苛み続けたのは肉体の激痛と、深刻なモルヒネ依存症という二重の地獄でした。

「この痛みを薬学の力で安全に鎮めることはできないか」――。自身の中毒症状を治療するため、ペンバートンは自宅の実験室に籠もり、鎮痛効果と覚醒作用を持つ生薬の研究に没頭していきました。