「菊タブー」解体の全貌 宮内庁Sns時代に迫る皇室報道の自主規制にまつわる興味深い視点を分かりやすく発信ます。

外国人研究者や文芸・ドキュメンタリー表現の領域では、この禁忌を相対化しようとする試みが幾度となく行われてきた。第二次世界大戦直後にルース・ベネディクトが著した『菊と刀』は、日本人の精神構造と皇室の関係性を外部の視点から客観的に分析し、占領下の日本論に決定的な影響を与えた。

さらに、表現の限界に挑んだ金字塔として知られるのが原一男監督の作品である。過激な手法で戦争責任の真相を突き止めていく男を描いた映画『ゆきゆきて、神軍』は、戦時中の天皇の役割や戦争責任という、当時の言論空間では最大級のタブーであったテーマを真正面から突きつけた。こうした表現活動の蓄積は、自粛に流されがちだった日本社会の言論領域において、タブーの壁を穿つ貴重なクサビとなった。