Q1:堤清二氏と堤義明氏は最後まで和解することはなかったのですか?
A1:公の場での公式な和解劇はありませんでした。しかし、義明氏が2004年に西武鉄道の有価証券報告書虚偽記載事件で逮捕・失脚した際、清二氏はメディアに対して過度な追及を戒め、弟の心中を気遣うコメントを残しています。晩年には親族の法要などで顔を合わせ、短い言葉を交わしたと伝えられており、骨肉の争いを超越した老境の情念が漂っていました。
Q2:セゾングループ解体後、なぜ無印良品だけが世界的に大成功しているのですか?
A2:無印良品(良品計画)は、バブル期の「過剰消費」への強烈なアンチテーゼとして清二氏が田中一光氏らと構想した「わけあって、安い。」「ノーブランドというブランド」という確固たる思想を持っていたからです。百貨店やホテルなどの装置産業と異なり、シンプルな生活美学という普遍的なコンセプトであったため、グローバルなミニマリズムの潮流に乗って持続的な成長を遂げました。
Q3:辻井喬としての代表作で、堤家の実態を知るためにおすすめの作品は?
A3:父・康次郎をモデルにした長編小説『風の生涯』、自らの出生と家族の内面を赤裸々に描いた『父の肖像』、そして学生運動時代の挫折と苦悩を描いた『暗流の記』が代表作です。実業家としての清二氏の深層心理と、華麗なる一族の知られざる暗闘を理解するための第一級の文学的資料となっています。