文通を通じて心を通わせていた二人ですが、結ばれる運命にはありませんでした。物語の終盤、春先から月を見上げては涙を流すようになったかぐや姫は、翁と刀自(妻)に衝撃の真実を打ち明けます。
自分はもともと「月の都の人間」であり、過去に犯した罪の罰として地上へ下ろされていたこと。そしてその罪の償いが終わり、来る8月15日の満月の夜に月からの迎えがやってくるという宿命でした。帝の愛を拒み続けていた最大の理由は、拒絶ではなく「宮中に上がってもすぐに別れが訪れ、帝を深く傷つけてしまう」という姫の苦悩と配慮だったのです。
この知らせを受けた帝は、愛するかぐや姫を守るため、満月の夜に2000人もの屈強な軍勢を派遣して屋敷を厳重に取り囲ませました。しかし、雲に乗って降臨した月の使者たちが放つ神々しい光の前に、兵士たちは戦意を喪失し、矢を射ることすらできずに完敗してしまいます。