かつてNHKスペシャルをはじめとする日本の硬派な報道番組は、アラブの春以降のカイロの激動と大学の変遷を重厚な映像で伝えてきた。言論の自由を求めて立ち上がった若者たちと、それを抑圧する体制側の対立構造。大学は常に社会変革の震源地だった。
近年では、Netflixなどのグローバル配信プラットフォームで公開される中東発のドキュメンタリー作品が、若きエジプト人クリエイターの手によって大学の陰影をリアルに描き出している。そこにあるのは、政治的スキャンダルの舞台として消費される姿ではない。経済危機と格差の中で喘ぎながらも世界へ羽ばたこうともがく、リアルな若者たちの群像劇だ。