1980年代の日本の夏といえば、大手化粧品メーカーや繊維メーカー各社が威信をかけて競い合った「水着キャンペーンガール」の全盛期でした。そのなかでも1985年カネボウ水着キャンペーンガールに抜擢された麻生祐未の登場は、業界関係者のみならず一般視聴者にも鮮烈なインパクトを与えました。
当時、青山学院大学文学部に在籍していた彼女は、まさに女子大生ブームの頂点に立つ存在でした。デビュー当時のテレビ番組出演などを経て射止めたカネボウの契約は、モデル界における最高峰の登竜門のひとつです。抜けるような青空とエメラルドグリーンの海を背景にしたカネボウのCMでは、健康美に満ちた水着姿とともに、どこか凛とした気品を感じさせる笑顔が映し出され、瞬く間に視聴者を魅了しました。
当時の制作関係者の回想録や取材記録によると、ロケ地での撮影は過酷なスケジュールの中で行われたものの、彼女の持ち前の集中力とカメラの前で見せる天性の表現力に、現場スタッフから感嘆の声が上がったと伝えられています。南国の陽光を浴びたグラマラスな肢体と、知性あふれる表情のコントラストは、まさに昭和後期のエポックメイキングな瞬間でした。