刺身として口に運んだ際の違いは歴然としています。カンパチの最大の魅力は、引き締まった身がもたらすコリコリとした小気味よい食感と、くどさのない上品な旨味です。脂質は適度に含まれつつも筋肉繊維が密に詰まっているため、薄造りにしても歯ごたえが損なわれません。醤油を弾くほどの脂を持ちながら、後味は驚くほど軽やかです。
対照的に、ブリの真骨頂は舌の上でとろけるような濃厚な脂と豊かなコクにあります。特に冬場の寒ブリは全身にきめ細かくサシが入り、加熱してもパサつかずジューシーな仕上がりを維持します。切り身を見分ける際は、身の色と血合いに注目してください。カンパチは全体的に透明感のある白みがかったピンク色で血合いが明るい紅色を保ちやすく、ブリは身全体がやや赤みを帯びており、空気に触れると血合いが褐色へ変化しやすい傾向があります。