画面から匂い立つようなリアルな空気感を支えたのは、実力派キャスト陣の圧倒的なアンサンブルだ。松たか子、満島ひかり、高橋一生、松田龍平という、現代の演劇・映画界を牽引する名優4人が集結した。
撮影現場では、台本に書かれた台詞の行間をどう埋めるかについて、絶えず密密なディスカッションが行われていたという。特に軽井沢の別荘で朝食を食べるシーンや、他愛もない雑談のシーンでは、アドリブと計算された間(ま)が見事に融合。高橋一生演じる家森の偏執的なこだわりや、満島ひかり演じるすずめの愛らしい仕草の多くは、現場の生々しい空気感から生み出された。
また、実際に弦楽器を吹き替えなしで演奏するために、4人は過酷な練習を重ねた。指の動きや身体の揺れまで完全にシンクロさせた演奏シーンは、彼ら自身の血の通った努力の結晶と言える。