保育現場や子ども服ブランドの企画担当者への取材によると、2024年から2026年にかけて、恐竜をモチーフにしたアイテムの売上構成比は前年比で約135%の伸びを記録しています。かつての図鑑のようなリアル志向・ダークトーンのイラストから、恐竜イラストパステルカラーや恐竜イラストゆるキャラ風と呼ばれる柔らかな表現へと、明確な地殻変動が起きています。
このブームの背景には、発達心理学における「安心感」と「力強さへの憧れ」の融合があります。恐竜という本来は巨大で圧倒的な存在を、丸っこい2頭身フォルムに落とし込むことで、子どもの心にある「恐怖」が無害化され、強烈な愛着へと変換されます。臨床心理士や児童指導員は次のように指摘します。
「子どもにとって恐竜は、強さの象徴であると同時に、未知への探求心を刺激する存在です。これを角のない丸みを帯びた輪郭で描くことで、威圧感が消え、心理的なバウンダリー(境界線)を傷つけない『守り神のようなマスコット』として受け入れられます」
さらに現場で顕著なのが、ジェンダーレス化の流れです。従来の原色(赤・青・緑)主体の配色から、ミントグリーン、ラベンダー、くすみイエローといったニュアンスカラーが採用されたことで、恐竜イラスト保育園向けの案内プリントやお名前シールにおいて、女児や保護者からも「かわいい」「部屋に馴染む」と絶賛されるケースが急増しています。