映画館の鑑賞様式を根本から塗り替えたのが、参加型のカルチャーである。その爆発的な火付け役となったのが『THE FIRST SLAM DUNK』の応援上映だ。劇中の緊迫した試合展開に合わせてメガホンが打ち鳴らされ、息を呑むラスト数十秒の無音シーンでは、満員の劇場から一切の物音が消え去る。あの息詰まる静寂の共有こそ、極限の共鳴だった。
現在ではこの潮流がさらに進化し、オーケストラやバンドの生演奏と映像がリアルタイムで衝突するライブシネマの形式が定着した。映画館はもはや「静かに座って鑑賞する場所」にとどまらない。感情をむき出しにして他者と共振する、エモーショナルな社交場へと変貌を遂げている。