近年、ネット上で最も激しい議論を巻き起こし、同時に熱狂的な信者を生み出したのが元野盗の六大将軍・桓騎です。黒羊丘の戦いで見せた民間人の虐殺や、平陽の戦いにおける十万人の投降兵斬首など、正義の観点からは決して容認できない冷酷さを持つ人物が、なぜ信や嬴政を脅かす2位にまで登りつめたのでしょうか。
SNSや大手掲示板の書き込み、考察コミュニティを精査すると、人気の転異点は宜安・肥下の戦いにありました。これまで謎に包まれていた桓騎の「怒りの根源」が明かされ、虐げられた底辺の人々(砂鬼一家やオギコ、雷土、ゼノウら)を守るために既存の理不尽な世界秩序そのものへ中指を立てていた事実が描かれたことで、ネットの反応は「胸糞の悪い悪党」から「最も純粋で悲痛な反逆者」へと反転しました。
「全部上手くいく」という口癖を残し、趙軍数十万の包囲網の中で李牧の首だけを狙って散ったラストシーン。SNS上では「これほど美しく散った悪党を見たことがない」「悪行は許されないが、涙が止まらなかった」という声が殺到しました。社会学的に見ても、既存の綺麗事や偽善を打ち破る「トリックスター」への渇望が現代読者の心理と共鳴し、凄まじいカリスマとして昇華されたのです。