「エスプレッソはカフェインが強い」という通説は、実は半分正しく半分間違いだ。全日本コーヒー協会が公開する成分データによれば、一般的なドリップコーヒー1杯(約150ml)に含まれるカフェイン量は約90mg。これに対し、エスプレッソ1シングル(約30ml)に含まれる量は約60mgにとどまる。濃度自体はエスプレッソが圧倒的に高いものの、1回の飲用量全体で見れば、じっくり抽出されたドリップコーヒーの方が多くの覚醒物質を含んでいるのだ。
さらに見逃せないのが、使用するコーヒー豆の品種だ。アラビカ種は芳醇な香りと複雑な酸味を持つ一方で、カフェイン含有量は重量の約1.2%前後。対して、主に缶コーヒーやインスタント製品に使われるロブスタ種はその倍以上、約2.2%~2.7%ものカフェインを含有している。自分のカップに注がれた一杯の正体を知るには、淹れ方だけでなく豆の出自にまで目を向ける必要がある。