コルトレーン『ブルー・トレイン』名盤の真価!奇跡の布陣と歴史的経緯の要点を丁寧に掘り下げてご紹介します。

全5曲で構成される本作は、スタンダード曲1曲を除いてすべてコルトレーンのオリジナル楽曲で占められており、作曲家としての才気が遺憾なく発揮されています。

Tr.曲名作曲特徴・ハイライト1Blue TrainJohn Coltrane哀愁漂うリフから疾走するマイナー・ブルースの金字塔2Moment's NoticeJohn Coltrane高速転調を誇る後の「コルトレーン・チェンジズ」の原型3LocomotionJohn Coltrane機関車が疾走するようなダイナミックなブルース4I'm Old FashionedJerome Kern本作唯一のスタンダード。優美でロマンティックな名演5Lazy BirdJohn Coltraneタッド・ダメロン調のキャッチーなメロディと巧みなコード進行

冒頭を飾るタイトル曲「ブルー・トレイン」は、重厚なホーンのリフに導かれ、コルトレーンの力強くブルージーなテナーが炸裂する傑作です。続く「モーメンツ・ノーティス(Moment's Notice)」は、目まぐるしい転調を繰り返す難曲でありながら、躍動感あふれるテーマとスリリングなアドリブの応酬が最大の聴きどころ。後の代表作『ジャイアント・ステップス』で見せる複雑なコード進行の萌芽がすでにここに完成しています。

唯一のスタンダード曲「アイム・オールド・ファッションド」では、コルトレーンのバラード奏者としての卓越したリリシズムが堪能でき、アルバム全体の構成に絶妙な陰影を与えています。アルバム全体を通して捨て曲が一切存在せず、ハードバップのアートフォームとしての極致を味わうことができます。