全5曲で構成される本作は、スタンダード曲1曲を除いてすべてコルトレーンのオリジナル楽曲で占められており、作曲家としての才気が遺憾なく発揮されています。
冒頭を飾るタイトル曲「ブルー・トレイン」は、重厚なホーンのリフに導かれ、コルトレーンの力強くブルージーなテナーが炸裂する傑作です。続く「モーメンツ・ノーティス(Moment's Notice)」は、目まぐるしい転調を繰り返す難曲でありながら、躍動感あふれるテーマとスリリングなアドリブの応酬が最大の聴きどころ。後の代表作『ジャイアント・ステップス』で見せる複雑なコード進行の萌芽がすでにここに完成しています。
唯一のスタンダード曲「アイム・オールド・ファッションド」では、コルトレーンのバラード奏者としての卓越したリリシズムが堪能でき、アルバム全体の構成に絶妙な陰影を与えています。アルバム全体を通して捨て曲が一切存在せず、ハードバップのアートフォームとしての極致を味わうことができます。