店舗との交渉に時間をかけられない場合や、自力で早急にリカバリーしたいケースでは、染料が繊維に完全定着してしまう前(付着から数日以内)の処置が明暗を分けます。乾燥機などの熱風で熱処理されてしまうと染料が焼き付いてしまうため、絶対に乾燥機へ入れてはいけません。
自力で復元を試みる場合、衣類の色柄や素材に応じて段階的なアプローチを行います。
ステップ1:色柄物にも使える「弱アルカリ性洗剤+酸素系漂白剤」の温水漬け置き
淡色の色柄物や、比較的軽微な色移りに対しては、繊維を傷めにくいアプローチから始めます。
50℃前後のお湯(手で触って熱いと感じる程度)をバケツに張り、通常の規定量の2倍程度の弱アルカリ性粉末洗剤と、粉末タイプの酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウム)をしっかり溶かします。そこに色移りした衣類を浸し、30分から1時間ほど漬け置きした後に優しくもみ洗いを行います。アルカリと熱の力で繊維が膨潤し、表面に付着した余分な染料が効率よく液中へ溶け出します。
ステップ2:白物衣類の最終兵器「移染除去ハイドロサルファイト(還元漂白剤)」
真っ白なシャツやブラウスに赤や青の色が強固に移ってしまった場合、一般的な塩素系漂白剤では黄ばみが発生したり、染料の種類によっては全く歯が立たなかったりすることがあります。そこで絶大な効果を発揮するのが、還元漂白剤である「ハイドロサルファイト」です。
塩素系や酸素系が「酸化作用」で色素を破壊するのに対し、移染除去ハイドロサルファイトは「色素から酸素を奪い取る還元作用」によって、付着した染料を無色化・可溶化して劇的に除去します。ドラッグストアやホームセンターで数百円程度で入手可能です。
使い方は、50℃程度のお湯にハイドロサルファイトを適量(水1Lに対して5g程度)溶かし、白物衣類を15〜30分程度浸すだけです。みるみるうちに不要な染料が消え去り、元の純白が蘇ります。ただし、地色のある色柄物に使用すると元の服の色まで完全に脱色されてしまうため、真っ白な綿・麻・ポリエステル衣類に限定して使用してください。