一方で、オフィスの現実はもっと複雑だ。SlackやChatworkといったビジネスチャットツールがインフラとなった現在、儀礼的な長文が逆に業務スピードを阻害する「チャット疲れ」が表面化している。
チャット上での「了解です」「了解です!」といった簡潔な返信は、スピードを最優先する現場において日常茶飯事となっている。絵文字のリアクション(スタンプ)だけで確認を伝える文化も広く浸透した。テンポの良い社内コミュニケーションを重視するスタートアップやIT企業では、過度に畏まった返信が「慇懃無礼」と受け取られるケースすらある。
しかし、ツールの利便性に甘えて社外の顧客や伝統的な企業文化を持つ取引先に対しても同じ感覚で接すると、手痛いしっぺ返しを食らう。相手の組織風土、年齢層、利用している媒体の性質を見極めたうえで、ギアを切り替える柔軟性が求められている。