冷めたお肉がパサついて固くなる主な原因は、加熱によるタンパク質の熱変性に伴い、筋繊維内部の水分が過剰に外へ絞り出されてしまう現象にあります。温かい状態であれば溶けた脂質がジューシーさを補いますが、冷めると脂が固まるため、肉そのものの保水性が仕上がりをダイレクトに左右します。
鶏むね肉の照り焼きチキンがお弁当でパサつかない理由は、下処理におけるブライン液(塩分濃度約5%の食塩水・砂糖水)への浸漬や、少量のマヨネーズ・酒を揉み込むタンパク質保護作用にあります。マヨネーズに含まれる植物油と乳化された卵黄が筋繊維の間に入り込み、加熱による過度な収縮を防ぐため、冷めても驚くほどの柔らかさが持続します。
お弁当用として最も味が決まり、ご飯が進むタレの黄金比は、「醤油:みりん:酒:砂糖=2:2:2:1」をベースに設計するのが鉄則です。フライパンで加熱する際は、お肉に薄く片栗粉をまぶしてから焼き上げることで、調味料が肉の表面に素早く絡みつき、冷めてもタレが流れ落ちない強固な旨味の膜を形成します。