ほん怖の歴史を語る上で避けて通れない金字塔が、ホラー映画界の巨匠・鶴田法男監督の手掛けた「顔の道」だ。深夜のドライブ中、狭い山道で遭遇する異形の存在。逃げ場のない車内という密室空間で迫りくる怪異の描写は、放送当時、多くの視聴者をパニックに陥れた。
過度なジャンプスケア(脅かし演出)に頼るのではなく、じわじわと恐怖を積み上げる心理的サスペンス。薄暗いバックミラー越しに映る違和感、そして逃げても追ってくる不気味な顔。まさにJホラーの美学が結実した傑作であり、今なお「最も恐ろしいエピソード」として名前が挙がる理由は、この徹底した恐怖演出の完成度にある。