デビューにあたり、なぜ本名の「蓼丸綾」ではなく芸名を使う決断が下されたのか。最大の理由は、名字の難読性と家族のプライバシー保護にあった。全国に数件しか存在しない名字のまま活動すれば、実家や親族の生活にあらゆる影響が及ぶリスクが高い。さらに、一度聞いただけでは覚えにくく、視聴者に親しみを持ってもらいにくいという興行上の懸念もあった。
そこで事務所側は、インターネットを通じて一般公募を実施。約1万6,000件に及ぶ応募の中から選ばれたのが、本名の「綾」を残した「綾瀬はるか」だった。柔らかく響き渡る母音の響きと、春の訪れを告げるような明るいイメージ。この改名こそが、彼女を国民的存在へと押し上げる決定的な契機となった。