寺院を語る上で外せないのが、境内の奥深くに位置する「六本瀧」での滝行体験だ。龍の口から勢いよく吐き出される霊泉は、北陸の厳しい冬であっても途切れることなく岩肌を叩き続ける。白装束に身を包んだ志願者たちが、水圧に耐えながら一心不乱に経文を唱える姿は息をのむほど荘厳だ。実際に滝壺へ足を踏み入れると、足首からじんわりと全身へ伝わる氷水のような冷気が、日頃の雑念を一瞬で吹き飛ばしてくれる。
取材班が現地で話を聞いた修行体験者によれば、滝の打たせ水は想像以上の重みをもつという。「背中に重鉄を叩きつけられるような衝撃ですが、終わった後の頭の中は不思議なほど静かになります」と語る。六本の滝筋は人間の六根(眼・耳・鼻・舌・身・意)の穢れを祓うとされ、近年ではメンタルヘルスの向上やリフレッシュを目的とする都市部からの訪問者も目立つ。単なる度胸試しではなく、自己と深く対話する本格的な精神修行の場として機能しているのだ。