鹿児島県内を網羅する流通網の中で、現在最も急速な変容を見せているのがスクラップ市場である。従来、建設解体現場や工場から排出される廃金属は一定の周期と相場で取引されていたが、2026年に入りその前提は崩れ去った。特に銅や真鍮、亜鉛などの非鉄金属における取引相場の上昇速度は目覚ましく、地元の集荷業者には連日問い合わせが殺到している。
背景にあるのは、世界的な需要急増と供給網の滞りだ。特にEV(電気自動車)やデータセンター向けの銅需要が増大する一方、海外からの原料輸入コストは高止まりしている。鹿児島市周辺の集荷場では、入荷した資材がすぐさま選別・プレスされ、国内外の製錬所へと出荷されていく。まさに金属リサイクル事業は、単なる不要品回収の域を脱し、国際的な資源争奪戦のフロントラインへと変貌を遂げた。