この未曾有の危機において、陣頭指揮を執ったのが当時の最高経営責任者(CEO)、サラ・カサノバ氏だ。2015年1月の記者会見では、当初の姿勢が「自己保身」「供給元への責任転嫁」と受け取られ、メディアやネットから猛烈なバッシングを浴びることとなった。
しかし、彼女はそこで立ち止まらなかった。批判を正面から受け止め、自ら全国47都道府県の店舗を巡る対話行脚を開始。幼い子どもを持つ母親たちの生の声に耳を傾け、何が欠けていたのかを徹底的に洗い直した。
カサノバ氏が推進した改革は苛烈を極めた。全店舗の厨房をオープン化し、調達ルートの情報を開示。さらに店舗のモダン化やキッズ向け施策の刷新、徹底した現場主導の意識改革を断行した。経営トップが現場の泥臭い対話に身を投じたことが、徐々に消費者の心をほぐしていく鍵となったのだ。