名手・武豊が魅せる芸術的なペース配分と、クリストフ・ルメールが見せる直線での冷徹な進路選択。騎手の腕が勝利を左右することは周知の事実だが、それを定量的に評価することは極めて困難とされてきた。
スポーツデータ分析の進化は、騎手の立ち回りすらも数値化する。各騎手がレース展開に応じてどのような判断を下し、馬の体力をどの段階で開放しているかを可視化。例えば、武豊騎手が魅せる絶妙な逃げ切りにおけるラップの緩急や、ルメール騎手が外差しを選択した際のスパート開始タイミングなど、勝利を決定づける「ミリメートル単位の判断」が明確な傾向として抽出される。馬の能力だけでなく、「誰が乗るか」による期待値の変動を精密に割り出すことが、勝負の明暗を分けるのだ。