メーカーズマークを口にして「思っていた味と違った」「口に合わない」と感じる背景には、ウイスキーとしての明確な香味特性と飲む側の先入観のギャップが存在します。主な原因は以下の4点に集約されます。
第1の理由は、バーボン独特のエステル香に対する拒絶反応です。ウイスキーを飲み慣れていない人がバーボンを飲むと、バニラやセメダイン、接着剤のような強い香りを覚えることがあります。これは内側を強く焦がした新樽で熟成する過程で生まれる香味成分ですが、慣れていない舌にはケミカルな違和感として受け止められてしまうのです。
第2の理由は、「冬小麦」がもたらすオイリーで濃厚な甘みです。多くのバーボンが原料の副材料にスパイシーな「ライ麦」を使うのに対し、メーカーズマークは上質な「冬小麦(ソフトレッド・ウィンター・ウィート)」を贅沢に使用しています。これにより角の取れた丸みのある甘みが生まれる反面、スコッチやジャパニーズウイスキーのようなドライでキレのある飲み口を好む人からは「甘ったるくてくどい」と低評価を下されがちです。
第3に、アルコール度数45度というしっかりとしたアタックが挙げられます。一般的なブレンデッドウイスキー(アルコール度数40度前後)よりもアルコール濃度が高く設定されているため、ストレートでそのまま口に含むと強烈なアルコール感が舌を麻痺させ、本来の豊かな風味を感じる前に「辛い・まずい」で終わってしまいます。
第4の理由は、ハイボールの作り方による失敗です。居酒屋などで炭酸が抜けていたり、ウイスキーが濃すぎたりする状態で提供された一杯を飲んでしまい、「メーカーズマーク自体が苦手」と思い込んでしまうケースも少なくありません。