本作を語る上で絶対に外せないのが、息を呑むほど濃密な演技合戦を繰り広げた主要キャスト陣の圧倒的な存在感だ。将来を嘱望されながらも運命の渦へと巻き込まれていく研修医を演じた東山紀之は、ストイックな佇まいと瞳の奥に宿る脆さを完璧に体現し、アイドルの枠を完全に打ち破った。
重い秘密と過酷な現実を背負いながら主人公と惹かれ合うヒロインを演じた鈴木京香は、その圧倒的な美貌と哀愁に満ちた演技で視聴者の涙を誘った。彼女が本作で見せた陰影のある表現力は、その後の映画や大河ドラマにおける大女優としての揺るぎないキャリアの原点と言っても過言ではない。
そして、二人の間に波風を立てる重要なポジションを演じきった常盤貴子の瑞々しさとエッジの効いた存在感もまた、ドラマに強烈な緊張感をもたらしていた。それぞれが日本のエンターテインメント界の頂点へと駆け上がっていった俳優たちの、最も生々しく情熱的な瞬間が本作には封じ込められている。