現在の中古市場において、価格高騰の象徴となっているのが日本のシティポップだ。山下達郎をはじめとする80年代初頭のマスターピースは、国内外のDJやコレクターによる争奪戦が過熱し、当時の定価の数十倍で取引される例も珍しくない。海外からの渡航者が「オリジナル盤の美しさ」を求めて日本の店舗を買い占める現象は、いまや日常の光景となった。
同時に、ブルーノートやプレスティッジ、日本の「スリー・ブラインド・マイス」レーベルを中心としたモダンジャズのヴィンテージ盤も底堅い人気を維持している。半世紀以上前の空気を真空パックしたかのような生々しい録音クオリティと、職人技によるラッカー盤カッティングの響きは、デジタルリマスターでは決して再現できない独自の資産価値を生み出している。