名作『The Water Magician』の真相|溝口健二の名作が放つ衝撃に関する注目トピックを分かりやすく解説します。関心のある方は必見です。

物語の軸となるのは、見世物小屋の人気水芸太夫「滝の白糸」こと水木お仙(演:入江たか子)と、御車道(荷馬車)の御者として働きながら東京での立身出世を夢見る青年・村越欣弥(演:岡田時彦)の宿命的な出会いです。

金沢の浅野川にかかる天神橋で欣弥と出会った白糸は、彼の誠実な人柄と法官(法律家)を目指す志に心を打たれます。「私の稼ぎで、あなたを立派な法律家にしてみせる」と誓った白糸は、欣弥の東京での学費と生活費を全額仕送りすることを約束。過酷な巡業生活に耐えながら、幾年も送金を続けます。

しかし、冬の金沢巡業で興行が大失敗に終わり、仕送りの工面に窮した白糸は、高利貸しの罠に嵌められ絶体絶命の危機に陥ります。愛する欣弥の学資を途絶えさせまいと焦るあまり、白糸は偶発的な強盗殺傷事件を起こして逮捕されてしまいます。数年後、司法試験に首席合格し、新進気鋭の検事として金沢の裁判所に着任した欣弥が法廷で最初に対面した被告人こそ、自らの学費を命がけで工面し続けてくれた最愛の恩人・白糸だったのです。