黄金の官能が2026年の東京を揺らす——世紀末ウィーンの巨匠が魅せる「美の深淵」と幻の傑作復元にまつわる役立つ知識を詳しく紐解きます。

展覧会の第一章を飾るのは、クリムトがそのキャリアの頂点で見せた最高峰の技法だ。本展では、オーストリアのベルヴェデーレ宮殿美術館をはじめとする世界各地の美術館や個人コレクターの全面的な協力のもと、激しい争奪戦を経て借り受けた名作が整然と並ぶ。

特に来場者の足を止めているのが、一般公開が数十年ぶりとなる個人所有のポートレートだ。緻密な衣装の装飾模様と、吸い込まれそうなモデルの表情。写真や図録では決して伝わらない、油絵の具の生の立体感と金の輝きがそこにある。実物を目の前にした観客からは、思わず息をのむ漏れ声が聞こえてくる。