ミラ・ジョヴォヴィッチの出演映画のなかでも、彼女の名を世界中に轟かせた最大の出世作が1997年公開のSF大作『フィフス・エレメント』です。リュック・ベッソン監督に見出された彼女は、地球を救う鍵を握る謎の異星人「リールー」役に抜擢され、鮮烈なオレンジヘアと純白の包帯風ボディスーツ姿で登場しました。
再生カプセルから目覚めるシーンなどで見せた神々しいまでの裸体は、単なるセクシーさを超え、生まれたての無垢な生命体としての神秘性を強烈に印象付けました。衣装デザインを手掛けたのは世界的巨匠ジャン=ポール・ゴルチエ。露出度の高い包帯風コスチュームは、包帯で覆う部分と素肌の露出バランスがミリ単位で計算されており、ミラの完璧なプロポーションがあったからこそ成立した芸術作品といえます。
撮影当時、ミラは過酷な格闘トレーニングと同時に独自の言語(リールー語)の習得に励んでおり、現場でのストイックな姿勢は監督やスタッフを唸らせました。身体を惜しげもなくさらけ出す演技に対しても「リールーという存在を表現するために不可欠なプロセス」としてプロ意識を貫き通したことが、今なお色褪せない伝説のシーンを生む原動力となりました。