モスの歴史を語る上で欠かせないのが、日本固有の食文化と洋食の融合である。1973年、醤油と味噌をベースにした特製タレを絡めた「テリヤキバーガー」を業界に先駆けて開発。本場アメリカの模倣から脱却し、日本の食卓に馴染む繊細な旨味をバーガーの世界に持ち込んだ。
さらに1980年代後半、社運を賭けて立ち上げられたのが「モスライスバーガー開発プロジェクト」だ。「パンの代わりに米で具材を挟む」という前代未聞のアイデアは、パティの崩れやすさやタレの染み込み具合など、数え切れない技術的障壁に直面した。開発陣の執念によって誕生したライスバーガーは、主食である米の可能性を広げ、同社を唯一無二のハンバーガーレストランへと押し上げる決定打となった。