遺骨を勝手に別の場所へ移すことは「墓地、埋葬等に関する法律」により禁じられており、必ず行政機関を介した正規の改葬手続きを踏む必要があります。複雑に見える墓じまい手続きの流れですが、正しい手順を押さえれば個人でもスムーズに完了できます。
具体的な手続きの流れは以下の5ステップです。
- 新しい納骨先の確保と「受入証明書」の取得:新たな永代供養墓や納骨堂を契約し、管理元から受入証明書(または使用許可証)を発行してもらいます。
- 現在のお墓の管理者から「埋葬証明書」を取得:寺院の住職や霊園管理事務所に連絡し、誰の遺骨が何柱納められているかを証明する書類に記名・押印をもらいます。
- 自治体へ改葬許可を申請:既存の墓地が所在する市区町村役場の窓口(または郵送)に書類を提出し、「改葬許可証」の交付を受けます。
- 閉眼供養と遺骨の取り出し:住職に読経(閉眼供養)をあげてもらい、石材店の手で墓石を開けて遺骨を取り出します。
- 墓石の撤去工事と新しい納骨先への納骨:墓を更地にして管理者に返還し、改葬許可証を新しい納骨先へ提出して納骨を完了させます。
特に不備が出やすいのが改葬許可申請書の書き方です。申請書には「死亡者の本籍・住所・氏名」「死亡年月日」「埋葬の理由」「改葬先の名称および所在地」を正確に記載しなければなりません。古い先祖の遺骨で死亡年月日や本籍が不明な場合は、除籍謄本を取り寄せるか、役所の担当窓口に「不詳」と記載して受理されるか事前確認を取っておくと二度手間を防げます。
なお、過疎化や無縁墓対策に悩む一部の自治体では、墓じまい補助金自治体制度を設けている地域が存在します。公営墓地の返還に伴う撤去工事費の一部助成(上限数万〜20万円程度)などを行っている場合があるため、申請前に所在自治体のホームページや生活環境課の窓口を必ず確認してください。