ムカデ人間を咲かせた怪物の正体!叶井俊太郎が映画界に残した劇薬を詳しくリサーチ! 知っておきたい 情報と解説を凝縮して配信します。

叶井俊太郎のプロデュース美学が極まった代表作のひとつが、レスラーが巨大なイカになってリングに立つという奇想天外な映画『いかレスラー』だ。周囲の誰もが呆れるような企画を本気で映画化し、映画館の満員札止めを記録させた手腕は、当時の映画業界に大いなる激震を与えた。映画とは高尚な芸術であると同時に、最高に見世物でなければならないという彼の信念が形になった瞬間だった。

自ら立ち上げた映画会社「トルネード・フィルム」時代には、そのエスカレートしたセンスが遺憾なく発揮された。世界のあらゆる辺境から見つけてきたカルト映画を連発し、映画ファンの脳髄を激しく揺さぶり続けた。失敗を恐れて安全な作品ばかりを並べる大企業に対し、己の感性だけを武器に泥をすすりながら戦う姿は、まさに映画界のインディペンデント・ヒーローそのものだった。