作品に登場する医療機関のモデルとされるのが、兵庫県に位置する赤穂市民病院だ。ここではわずか1年あまりの間に、特定の医師が関与した重大な医療事故が8件も相次いで発生した。神経麻痺や脳梗塞、硬膜外血腫の放置、さらにはカテーテル切断や穿孔事故など、専門医であれば回避すべき基本的ミスが頻発していた事実は、外部の調査報告書でも極めて異例と指摘されている。
渦中の人物とされる竹田医師は、救急や外来で次々と手術を担当したものの、術後患者の状態が急速に悪化しても「問題ない」と言い張り、適切な処置を怠っていたとされる。同僚医師らの制止や警告を無視して強行された手術の裏で、多くの患者が身体障害を負い、後遺症に苦しむこととなった。病院側の安全管理体制とチェック機能の不全が、被害拡大の直接的な要因となったことは否定できない。