なぜ正義は暴走するのか?攻撃性に変わる脳の暴走と心の処方箋の詳細について、分かりやすい解説を詳しくお届けします。

クリストファー・ノーラン監督の伝説的映画『ダークナイト』で、悪を倒すはずのバットマンがやがて市民から恐怖の対象へと変わっていく姿は、現代社会のカリカチュアそのものだ。「正義の味方」を自処する者ほど、自らがダークサイドに落ちていることに気づかない。かつて映画の中だけの寓話だったものが、今やスマホの画面越しに現実化している。

Netflixなどで配信される過激な社会派ドキュメンタリーを観て、SNSで「怒りの投稿」をシェアする行為。その裏側に潜むのは、純粋な正義感だけではない。根底で渦巻いているのは、「自分は正しい側に立つ良心的な人間だ」と周囲にアピールしたい強力な承認欲求だ。善悪の二項対立に便乗し、他者を叩くパフォーマンスを見せることで、人々は手軽に自尊心を満たしている。