数ある映像化のなかでも、お茶の間に強烈な刻印を残したのが、TBSテレビが日曜劇場枠で放送したドラマ『とんび』だ。不器用で喧嘩っ早いが誰よりも情に厚い父親役を圧倒的な熱量で演じきった内野聖陽と、その背中を見てまっすぐに育ち、優秀な編集者へと成長していく息子役の佐藤健。二人の迫真の掛け合いは、テレビドラマ業界の歴史に刻まれる伝説的な名シーンを数多く生み出した。
視聴者の涙を誘ったのは、ただドラマチックな展開があったからだけではない。内野聖陽演じる泥臭い父親の生き様と、佐藤健が見せた繊細な葛藤。テレビドラマ業界の第一線を走るキャストとスタッフが魂を削って作り上げた圧巻のリアリティが、画面越しに「家族とは何か」を鋭く問いかけたからにほかならない。