自分が抱く恐怖が単なる「高所嫌い」「虫嫌い」なのか、それとも治療を要する状態なのかを見極める指標として、アメリカ精神医学会が発行する『DSM-5-TR』が存在する。
DSM-5-TRにおける診断では、特定の対象や状況に対する即時的な不安反応、その恐怖が実際の危険度と釣り合っていないこと、そしてその恐怖が通常6ヶ月以上持続しているかどうかが重要視される。さらに、恐怖を避けるための「回避行動」によって、職業上の機能や人間関係、日常生活に著しい苦痛や支障が生じているかが大きなポイントとなる。自分自身で「過剰だ」と理解していても感情をコントロールできないジレンマが、当事者を強く苦しめるのだ。