「るるるの歌」には複数のバリエーションが存在し、シリーズを重ねるごとにその世界観は深みと恐怖を増していきました。中でも視聴者のトラウマとして名高いのが「オオカミ編(おとこオオカミ編)」と「未来編」です。
「オオカミ編」では、森を歩くひとりの男性が満月の光を浴びて狼男に変身し、周囲を威嚇しながら夜の闇へと消えていく姿が描かれます。Eテレの番組であれば「最後は元の優しい人間に戻ってめでたし」という救いを用意するのが定石ですが、この曲では変身した男がそのまま孤独に夜を彷徨う場面で幕を閉じます。子ども向け番組らしからぬ容赦のないバッドエンドに、呆然とする視聴者が続出しました。
さらに異彩を放っていたのが「未来編」です。荒廃したサイバーパンク調の未来都市を舞台に、無人の街を機械が徘徊し、人類が滅び去ったかのようなディストピアを想起させる描写が続きます。「つくる」「こわす」「きえる」といった動詞で紡がれる終末的なビジョンは、幼心に「世界の終わり」を直感させるには十分すぎる不気味さを放っていました。