なぜ新規事業は育たないのか?両利きの経営の本質と成功事例を徹底解説とはどんな影響があるのか? 詳しい意味を丁寧に紐解いて紹介します。

両利きの経営を機能させる組織構造には、主に「構造的分離型」と「文脈型」の2つのアプローチが存在します。

実践において最も推奨されるのが、新規事業部門を既存事業部から物理的・組織的に切り離す「構造的分離」です。事業のタイムスパンや評価軸、求められるカルチャーが根本的に異なるため、同じ部署内や直属のヒエラルキーの下に置くと、知の深化の力学に飲み込まれてしまうからです。独立した別動隊として組織し、独自のKPIと評価基準を与えることで、探索チームは失敗を恐れずスピード感を持った挑戦が可能になります。

ただし、組織を分けただけでは両利きの経営は完結しません。ここで極めて重い役割を担うのが経営陣のリーダーシップです。組織が分断されると、主力部隊から「あいつらは稼ぎもせずに遊んでいる」といった反発が生まれ、探索部隊からは「古い体質が足を引っ張る」という不満が生じがちです。トップは明確なビジョンを示し、既存事業への敬意を払いながら、両者の対立を解消する架け橋とならなければなりません。

さらに、社内リソースだけに頼らないオープンイノベーション戦略の推進も勝敗を分けます。スタートアップとの資本業務提携や大学との共同研究、外部アライアンスを積極的に活用することで、自社にはない知をスピーディーに取り込み、探索の確度とスピードを劇的に高めることができます。