夜空に輝く月へカメラを向けたとき、iPhoneの内部では「画面全体が極めて暗い」という認識が働きます。iPhoneのコンピュテーショナルフォトグラフィは、画面全体の明るさを均一に持ち上げようと設計されているため、夜景認識が作動すると暗所を持ち上げる処理が走ります。しかし、物理現象として月は太陽光を直接浴びて反射している非常に明るい被写体です。照度計算の上では、真昼の屋外に置かれたアスファルトと同等の光量を持っています。
この極端な明暗差(明部と暗部のコントラスト比)に対して、カメラが「暗い夜景」として露出を合わせてしまうことこそが、iPhone 月 白飛び 対策が必要とされる根本的な理由です。暗い背景に露出を引っ張られた結果、月面のディテール情報は完全にサチュレーション(階調飽和)を起こし、真っ白な発光体へと変貌してしまいます。
さらに失敗を決定づけるのが、自動で起動するiPhone ナイトモード 月の挙動です。ナイトモードは複数枚のフレームを数秒間かけて連写・合成し、暗所に光を取り込む機能であるため、すでに発光している月に向けて露光時間を延ばせば、白飛びと手ブレが確実に悪化します。月を美しく撮る第一歩は、「夜景として撮る」という固定観念を捨てることにあります。