少女漫画における王道の接触シチュエーションといえば、「髪についた桜の花びらを取ってあげる」あるいは「口元についたご飯粒を取ってあげる」といった展開がお約束です。では、なぜあえて芋けんぴという渋すぎるチョイスだったのでしょうか。
その理由は、担当編集者との打ち合わせの中で生まれた「読者の度肝を抜くインパクトと可愛らしさの両立」にありました。
作者の杉山美和子先生は自身のブログやSNS等で、読者に強い印象を残しつつ、クスッと笑えてキュンとできるギミックとして「芋けんぴ」を採用した経緯を明かしています。スナック菓子でもチョコレートでもなく、細長くて硬く、油で揚げて蜜を絡めた「芋けんぴ」だからこそ、髪に刺さっている絵面のシュールさと、それを食べたときの独特な咀嚼音が抜群のフックになりました。