イラスト投稿サイトのPixivや、世界中のトップアーティストが集うArtStationを俯瞰すると、海をテーマにしたビジュアルのトレンドには明確な地域的・文脈的差異と、それらの刺激的な融合が見て取れる。
Pixivを中心とする国内のシーンでは、青空と入道雲を反射する情緒的な海や、ノスタルジーを掻き立てるアニメ調の澄み切った水面表現が高い人気を誇る。これに対し、ArtStationで見られる海外の映画・ゲーム業界を主導するコンセプトアートでは、映画的なシネマティックライティング、荒れ狂う外洋の重厚な波、濁度(タービディティ)を意識したフォトリアルな質感表現が主流を占める。現在ではこれら二つの潮流が交差し、アニメ的な色彩センスにハリウッド級の物理ライティングを組み込んだハイブリッドな表現が、新たなトレンドとして熱狂的な支持を集めている。