NHKスポーツ中継の真骨頂といえば、高校野球と大相撲です。一切の派手な演出を排し、研ぎ澄まされた描写力だけで勝負するこの2大コンテンツでは、数々の名職人アナウンサーが誕生しました。
夏の甲子園で数々の名場面を実況した小野塚康之アナは、独特の熱量と「自分を褒めてあげてください」「野球の神様がくれた贈り物」といった詩的な言葉選びで高校野球ファンを魅了しました。石川洋アナや竹林宏アナなど、劇的なサヨナラ劇や投手の熱投を淡々と、しかし熱く描き抜く実況スタイルは、甲子園の風物詩として長く親しまれました。
一方、大相撲中継では杉山邦博氏をはじめ、吉田賢アナや三瓶宏志アナなど、立ち合いの息遣いから土俵の砂煙、行司の動きまでを一瞬で言語化する熟練の手腕が光ります。伝統文化としての相撲の所作や力士の心理戦を正確に伝える語り口は、視聴者に圧倒的な臨場感と安心感を提供し続けています。