「ニキビ用の市販薬を半年塗り続けたが、しこりが小さくなるどころか硬くなった」「ビタミンC誘導体やレチノールを試したが全く効果がない」――。大手美容医療フォーラムやSNSの相談コミュニティでは、セルフケアの限界に突き当たった切実な声が数多く寄せられています。
なぜニキビ跡のケロイドは市販薬で治らないのでしょうか。その理由は病変が存在する皮膚の深さにあります。
一般的な市販のニキビ治療薬は、表皮レベルの角質軟化やアクネ菌の殺菌、表層の抗炎症を目的としています。しかし、ケロイドの実体は皮膚の深部である「真皮網状層」に密集したコラーゲン線維の塊です。外用薬の有効成分がこの深さにまで到達し、過剰に増殖した線維組織を融解・分解することは薬理学的に不可能です。
さらに危険なのは、「芯が残っている」と勘違いして爪や器具で無理に押し出そうとしたり、強いマッサージを施したりする行為です。物理的な刺激は線維芽細胞をさらに活性化させ、しこりを急速に巨大化させる引き金となります。