映画界に燦然と輝く名匠アンドリュー・スタントン監督。彼が本作の構想を練っていた当時、過保護な父親マーリンの重苦しいトラウマをいかにして救済するかという脚本上の巨大な壁にぶつかっていた。
重苦しい物語を打破した契機は、スタントン監督が自宅のテレビでたまたま目にしたエレン・デジェネレスのトーク番組だった。話題を転々と変えながらも、驚くべき軽妙さで観客を魅了する彼女の話術。監督は「これだ。マーリンに必要なのは、過去に縛られた彼を強制的に『今、この瞬間』に引き戻す記憶障害の魚だ」と直感したという。この瞬間的なインスピレーションが、アニメーション映画史における最高の化学反応を生み出す引き金となった。